Takahashi Shunji

identify re-spect
O.Hitomi N.Shinsuke T.Sayaka U.Kenta
I.Hitomi O.Hiromitsu N.Tomohiro T.Misato
H.Kazutaka Y.Daisuke H.Naoko A.Eiji
F.Ryouko N.Miki U.Tomoko M.Rieko
S.Ai H.Hiroko Y.Eriko U.Yoshie
N.Shouta A.Ryouya J.Nami Christina L.
N.Shigeru S.Aya Y.Risa Y.Ryu

作品について

作品は二部構成になっています。第一部は履歴書をモチーフにした<identify>。証明写真は被写体になっていただいた方に、各々持参していただきました。年齢・経歴については撮影時、2007年度におけるものという設定です。大学名は架空のものとしました。

二部の<re-spect>は、2006―2007年にかけて撮影した写真を使っています。思い出の写真をもとに語ってもらい、その中で印象に残った一言と組み合わせています。そのインタビューは30分で終わることもありましたが、たいていは一時間半程度。時には3時間くらい話し込むこともありました。貴重な話を聞かせてもらい、とても楽しいひとときでした。ご協力くださった皆様に、感謝します。

2007年に制作したものを再構成し、サイト上にアップしました。


現在続編の制作を計画しています。モデルとしてご協力いただける方がいらっしゃいましたら、ご一報ください。

2016年11月

identify

「さあ、おまえさんはしあわせになったんだよ、ぐっすり眠るんだぜ、別嬪さん!」

―ゾラ『居酒屋』より―
棺桶職人バジュースじいさんのことば

「土地を自分のものにしているくせに、その中に指をつっこんでみる暇もねえし、その上を歩く暇もねえということになると・・・そうしたら土地の方が、人間の主人になってしまうだ。人間は自分のやりたいこともやれねえし、自分のしたいことを考えることもできなくなってしまうだ。」

―スタインベック『怒りの葡萄』より―
1930年代アメリカ南西部の小作農の言葉

それは一体、誰のためのアイデンティティーなのか。あなたはわたしの要請によって形作られるのでも、わたしの内側の言葉で尽くされるのでもない、だとしても。

あなたをあなたと認めるために、ほかならぬわたしとして交わるために、わたしはあなたを《あなたはわたしを》つかまえて、心の中の鳥かごに閉じ込める。そうすれば誰に邪魔されることもなく。美しい声で鳴く鳥を安全な場所から眺め続けることができる。

re-spect

「漁師は自分の道具ば大事にするとばい。船には守り神のついとらすで、道具にもひとつひとつ魂の入っとるもん。」

―石牟礼道子『苦界浄土』より―
水俣の漁師の妻、ゆきのことば

「僕たちもみんな楽園にいるのに、それを知ろうとしないんですよ。知りたいと思いさえすれば、明日にも、世界中に楽園が生まれるに違いないんです。』

―ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』より―
若くして無くなった、長老ゾシマの兄マイケルのことば

日々を滞りなく過ごすために我々は、平均的で差し障りの無い、いわば化石の時間を生きている。その代償として私は《あなたは》、いつも変わり続けている、あるいはその向こう側にいるあなたを《わたしを》損なっている。だからもう一度、向かい合って。止まった時を解放し、色鮮やかな空の下蘇らせるために。もう一度-見る。また再び、そして何度でも…re-spect。

操作方法

  • カードの名前をクリックすると、画面がホワイトアウトして中央に作品が展開されます。
  • メニュー画面に戻るときは、どこか画面をクリックしてください。ただし、アニメーションしている間は入力を受け付けません。
  • 「identify」、「re-spect」いずれかにチェックがついていますが、チェックの入っていない方のカードをクリックすると、チェックが入れ替わります。
  • 「identify」カードにチェックが入っているときと、「re-spect」カードにチェックが入っているときでは、異なる作品が展開します。
  • 「re-spect」では、最初に「ことば」が表示され、それが消えたあとに写真作品が表示されます。